「正直に旨い」の追求により辿り着いた
過熱水蒸気という新しい加熱方法
釜による塩茹ででの少量生産→大型設備によるスチームでの大量生産という時代を経て、
業界でも導入事例の少ない、過熱水蒸気で加熱処理をする生産を開始しました。
これにより、生産効率を維持しつつ、ホタテ本来の旨味を際立たせることが可能になりました。
漁業者が海中にホタテを吊るして育てるため、養殖ホタテと呼ばれますが、人工的な給餌は一切行いません。大量の雪解け水には栄養分がふんだんに含まれ、ホタテの成長を大きく促進してくれるからです。卵を抱き始める2月頃から水揚げが本格化し、3月中旬にピークを迎え、4月までが主な漁期です。成長真っ盛りな時期のホタテを加工しています。
寒い時期に水揚げされるため、「腐敗」という観点では劣化の心配は無く、ホタテは水揚げ後でも通常であれば数日間生存できます。しかし、産卵を控えているこの時期のホタテは、体を維持するために、多くの酸素と栄養を必要としており、水揚げ後は必死に生存しようと、蓄えた栄養分(まさに旨味成分!)をどんどん消費していきます。これは加工技術で取り戻すことはできません。そのため、搬入後24時間以内に凍結処理までを終えるよう管理しています。
ホタテ加工で一般的な蒸気によるスチームに比べ、過熱水蒸気(100℃を超える温度帯の蒸気)で加工することで、より美味しく仕上がります。過熱水蒸気については工場紹介にて詳しくご紹介しています。
ISO22000:2018とは食品安全に特化した国際認証です。弊社ではこれを2009年に取得いたしました。継続的な改善が求められ、1年に1度審査がありますので、衛生知識の向上、工場の改修、最新設備の導入、製造工程の改善など、食品安全に関するあらゆる改善に積極的に取り組んでいます。
貝柱が一番美味しい時期の オホーツク海産ホタテ貝柱
オホーツク海のホタテは、天然であるため、自由に泳ぐことができ、身が引き締まっています。
この泳ぐための筋肉が、貝柱です。また、ホタテは春先に放卵を終えると、冬までの間に栄養を蓄えようとします。
夏から秋にかけては、その栄養が全て貝柱に蓄えられることになります。弾力のある食感と甘み、旨味を味わえる最適な水揚げ時期のホタテを加工してます。
天然のホタテは生息場所が海底ということもあり、もともとエサや栄養が少ない環境でも生存できる生物です。そのため、成長はゆっくりで、4年かけて加工できるサイズに成長します。自由に泳ぐことで、筋肉である貝柱が発達し、生存本能も強く、栄養の貯蔵能力が高い特徴があります。
魚の刺身に醤油をつけて食べるのは、刺身に含まれる旨味成分「イノシン酸」と醤油に含まれる「グルタミン酸」を掛け合わせることで旨味を強く感じる効果があるためです。これは「旨味の相乗効果」と呼ばれ、旨味成分である「グルタミン酸」と「イノシン酸」又は「グアニル酸」を組み合わせることにより起こることがわかっています。ホタテの主な旨味成分は、「グルタミン酸」、甘み成分は「グリシン」と言われておりますので、醤油とでは旨味の相乗効果が起こりません。そこでお薦めしたいのが、レモンとの組合せです。レモンに含まれる酸味成分「クエン酸」が甘さを際立たせる働きをするため、貝柱に含まれる甘み成分との相性が良く、レモン汁を振りかけて食べたり、カルパッチョにしたりすることで、一味変わった美味しさを楽しめます。
貝柱以外の部位を取り除いていることで、雑味が一切無く、甘み成分も含んでいるため、シチューやグラタンなどのクリーム系の料理とも調和し、贅沢な一品となります。また、食感も非常にすっきりとしているので、フライなどにしても、さっくりと食べやすく仕上がります。
ご贈答用、大切な日にぜひ!
創業70年の経験による確かな品質
身がぎっしり詰まっていて旨味が引き立つ塩加減、たっぷりと入ったミソ、そんな毛ガニで皆様に笑顔になっていただきたい。
その思いを絶やさずに加工を続けて参りました。
毛ガニの水揚げ時期による違いや個体差を言い訳にしない、出来得る限り良質な毛ガニを皆様にお届けするための、
70年の経験に裏付けられた製品づくり。それが私たちの自信と誇りです。
北海道では、資源保護の観点から、甲長8㎝以上のオス毛ガニしか漁獲が許可されていません。また、各地で漁期と水揚げ上限が定められています。当社では、毎年6月~8月に渡島(おしま)、胆振(いぶり)で水揚げされる毛ガニを加工しています。
美味しい毛ガニは活状態での加工が大前提です。鮮度が落ち、死んでしまった毛ガニは、茹でても身がボソボソで繊維が無くなり美味しくありません。そのため、鮮度の良いものを仕入れるため、前浜である噴火湾で水揚げされた毛ガニのみを加工しております。仕入れた毛ガニはすぐに茹でずに、漁獲や輸送によるストレスを解消させるため、専用の水槽に入れ、活力を回復させています。
毛ガニ加工で最も重要なのは買付です。毛ガニ自体の質を技術によっては変えられないからです。毛ガニは水揚げ港で現物を見ながらの入札方式により買い付けますが、甲羅の膨らみ具合を見たり、実際に手で触って身の詰まり具合を確かめて、毛ガニの質を見極めます。入札ごとに数匹の毛ガニのみを見て触って、短時間で判断しなければなりませんが、これは一朝一夕でできることではありません。当社では、数十年の経験を有する名人が買い付けを行っています。
買い付けた毛ガニの中には、やはり個体差がありますので、鮮度が落ちたものや身入りの悪いものもあります。これを加工場の職人が搬入後直ちにに選り分け、良品とは別に茹でます。このB級品はチルドのまま、地元の市場に安く買い取っていただいております。これにより、皆様には良質な毛ガニのみをお届けすることが可能となります。
当社伝統の茹で釜は、同業者に比べると大きなものを使用しております。小さい釜で茹でると、水の量が少ない分、塩分濃度の誤差が出やすくなるためです。毛ガニの旨味を最大限に引き出すためには、毛ガニの大きさだけでも重さだけでもなく、実際に手に持ってみて、大きさに対する身の詰まり具合のバランスを見定め、塩加減と茹で時間を調整する必要があります。これもやはり茹で専門の職人の成せる技です。
毛ガニの凍結には最新の凍結技術を導入しております(詳しくは工場紹介にて)。凍結温度は実に-60℃という超低温まで下げられ、更に、凍結過程において、凍結対象と凍結庫内の温度差が極めて小さい状態で凍結が進むという特筆すべき特許技術が採用されております。これにより毛ガニの水分が損なわれることなく凍結が仕上がります。そして皆様が解凍してお召し上がりの際には、旨味の詰まった水々しい身質の毛ガニをお楽しみ頂けます。