高品質のホタテを食べていただくため、原料となるホタテは、毎朝数か所の漁協を回り、新鮮なホタテを目利きしながら入札によって買付。
多い日は140tもの数量を仕入。
搬入したホタテは、大きさや鮮度のチェック。そして約10tのホタテを入れられるホッパーへ。
そこから加熱設備であるスチーマーに送られます。
ここで味が決まると言っても過言ではない!
当社ホタテ製品の旨さのヒミツである過熱水蒸気式スチーマー。
搬入したホタテを100℃以上に加熱された水蒸気でスチームすることによって加熱ムラが無く、旨さをギュッと凝縮。
スチーム工程は品質を決める最も重要な工程の為、工場長が担当しています。
ホタテは加熱されると殻と身が剥がれます。これを脱貝機に通すことで、殻だけを廃棄ラインへ送ります。
アツアツで出てきたホタテを、キンキンに冷やした滅菌海水に通して粗熱を取ります。
脱貝機で通り抜けてしまった貝殻の破片などをここでさらに除去。
回転を加えながらジェット水流によってホタテの表面をきれいに洗います。
ウロには毒素が溜まっている場合があるため、ホタテの加工においては除去することが義務付けられている。
トンネルフリーザーという設備で急速凍結。
コンベアに並べられたホタテが、トンネルの中を10~15分かけて通過する間に凍結されます。トンネル中の上部からは-30℃以下の冷風が吹き付け、コンベア自体も内側から不凍液が噴射され-30℃以下になっており、上下から-30℃以下で冷却。
X線選別機で、冷凍済みのホタテのサイズ選別と異物検査を行います。あらかじめ機械にホタテの形や重量を認識させておき、X線の透過により重量を検知し、サイズ分けするシステム。それと同時に、細かな貝殻片の付着といった異物の検査を行うことができます。異物の検知は、機械が認識しているホタテの形に対し、不自然にX線の透過率が低い箇所があった場合、それを異物として検知するシステム。ホタテ一粒ずつ検査されるので、精度は高いのですが、やはりゼロにはできないことが永遠の課題です。
全自動包装機によって、規定重量での袋詰め、安全証紙の貼り付け、JANコード(バーコード)の印字とAIカメラによる印字チェック、賞味期限の印字が行われます。安全証紙とは、ホタテの一次加工品への貼り付けが義務付けられている、ホタテの水揚げ漁港と水揚げ日、製品の製造日を記した青色のシールです。
脱皮を繰り返して成長していく毛ガニ。その成長サイクルで身入り、ミソの入り具合が大きく異なります。脱皮直後が最も価値が低い「脱皮ガニ」、少し進むと「若ガニ」と呼ばれます。その後良質な毛ガニとなり、脱皮直前の最も質の良い毛ガニを「堅(カタ)ガニ」と呼びます。堅ガニは極めて数量が少ないため、その前の段階の良質な毛ガニを主体として買付します。買付基準としては、身がパンパンに詰まった堅ガニを100とした場合に、概ね90以上であると判断できるものを買付。色ツヤを見て成長を判断し、甲羅の膨らみでミソの入り方も判断します。これら以外の基準も加味して買い付けをします。
鮮度を落とさないよう、保冷管理をしながらトラックで輸送して搬入します。
工場に搬入したら、鮮度の悪いものを選り分けます。活きの良い毛ガニは、動きですぐにわかり、台にあけると力強く脚を縮めたり、脚を踏ん張ったりします。活きの悪いものはそうはならず、体を持ち上げると脚が垂れ下がります。選別された毛ガニは、鮮度の悪いものは別処理をし、良いものは専用の水槽に入れます。水温管理と酸素不足防止の管理をし、1日から2日間エサの無い環境で蓄養することにより、断食状態の毛ガニは老廃物を排出したり、甲羅の中のエラに含まれる細かな砂も吐き出します。これにより、ボイル後の毛ガニの雑味が無くなり、食べたときの舌触りも良くなります。蓄養期間が長すぎると、毛ガニが痩せていってしまいますので長期間の蓄養はしません。
水槽から上げた後、表面についている汚れを落とすために一尾ずつ洗浄します。
「塩茹でする」というシンプルな製法が決め手になる!
ただ茹でるだけでは食べる人を感動させるような美味しさはならない。決め手は「塩」。ミネラルを含む天日塩にこだわり、特定銘柄を十数年に渡り使用。そして職人が長年の経験で培った最高の塩加減で塩茹でに挑みます。
次に「釜」。弊社では約3000Lの水が入る「大釜」を使用しています。
大量の水を使用することにより塩分濃度のブレを低減させ、安定した味に仕上げます。
氷水で一気に冷却をしてカニの粗熱を取ると同時に身を締めます。これにより、お召し上がりいただく際に、身が離れやすくなります。
灰汁がついているので専用のシャワー洗浄機で洗浄をし、台の上にきれいに並べます。このとき、毛ガニの腹は上を向けます。甲羅の中は冷めるのに相当時間がかかりますので、放熱を早くし、ミソを固めて安定させるためです。
一尾ずつ身の入り具合を確かめながらサイズ選別をします。11~13種類に分け、各サイズを計量します。
いよいよ毛ガニの美味しさを決める第二の工程!
一尾ずつ形を整え、ゴムかけ、そしてカネキチブランドのタグ付けされた毛ガニを弊社こだわりの凍結方法で急速凍結します。ηmax(イータマックス)凍結庫でマイナス60℃という超低温で急速凍結を行うことによって従来の凍結方法と比べ、解凍後の美味しさが全く違います。nmaxの特長は別項をご参照ください。
冷凍保管中の乾燥を防ぐために、氷の幕をつけます。これをグレーズと言います。
カネキチブランドの浜ゆで毛ガニの出来上がり。
全国各地の市場等へ出荷されます。一般小売向け及び、ふるさと納税返礼品にも、上記の工程で製造されたものを小分けにして発送しております。"
過熱水蒸気式スチーマー
過熱水蒸気とは100℃の水蒸気を更に火で加熱し、より高い温度帯(数百度も可能)にしたものです。ホタテの加工においては概ね120~150℃で調整しています。当社では業界でも導入事例の少ない「過熱水蒸気式スチーマー」を採用しています。この利点として、加熱ムラが起きにくいことと、旨味が逃げにくいことが挙げられます。過熱水蒸気で満たされたスチーマーにホタテを投入すると、ホタテの表面が過熱水蒸気に触れて熱交換が行われる際に、熱が奪われて水に戻ろうとする過熱水蒸気が、周りの過熱水蒸気の膨大な熱によって、一瞬で100℃になります。これにより、過熱水蒸気自体の温度は100℃を超えていますが、ホタテの加熱は、表面を包み込んでいる100℃の水で均等に行われることになります。均等に包み込むことにより、ホタテ内部の水分が失われにくくなるとともに、旨味成分の流出や蒸発が起こりにくくなります。そうして、品質のムラの少ない美味しいホタテの生産が可能になります。
η max(イータ マックス) 冷凍システム
η maxとは、「最大効率」という意味です。凍結システムは、庫内の冷却器冷媒温度が下がるのと連動して温度を下げていく仕組みになっていますが、従来のシステムでは、庫内の温度と冷媒の温度差が低温になるほど大きく、約20℃生じてしまうのが制御システムの限界でした。この20℃の差が、凍結する製品の品質にも影響します。水分は温度の高い方から低い方へ移動する性質があり、その温度差が大きいほど移動が活発になり、霜がついてしまうのです。一般的にいう「冷凍焼け」とはこのことで、食品に含まれる水分が、より温度の低いところへ移動してしまい、食品の表面が乾燥してしまうことを言います。η maxは特許技術として、庫内温度と冷媒の温度差を極めて小さくする高効率、省エネルギーで運転する制御システムとなっています。効率よく急速に凍結が進み、温度も-60℃の超低温まで下げることができ、従来よりも早く凍結が仕上がります。保管時も同様に水分の移動が極力抑えられ、品質の劣化が起こりにくくなっており、当社ではこのシステムを凍結庫と保管庫の両方に採用し、高い品質を保っております。
その他、設備・機器
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金属探知機
重量検査も同時に行える金属異物探知機です。
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脱パンライン
加工筋向けに魚を15kなどで凍結する際は、冷凍パンという金属製の容器に入れて凍結しますが、それを取り出す時に、蒸気を軽く当てることで、魚と冷凍パンが剥がれます。
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保管冷凍庫
第1冷凍庫300t、第2冷凍庫300t、第3冷凍庫1,200t
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原料保管庫
5℃以下の冷蔵保管庫30t
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製氷貯蔵庫
製氷20t/日、貯氷70t
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ホタテ貝剥きライン
ホタテを剥いて貝柱だけを取り出す作業を行います。専用の剥きベラを使用して、貝柱だけを取り出し、貝殻は廃棄コンベアへ、貝柱とそれ以外の部分も別々に流れるようになっています。
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水 槽
タコやカニなど、蓄養を必要とする水産物を貯蔵する水槽です。
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海水ろ過装置
海水を滅菌する前処理として、不純物を取り除く必要があり、フィルターの自動洗浄機能が付いたろ過装置です。
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紫外線殺菌装置
紫外線ランプによって海水の殺菌をする装置です。数秒で殺菌ができます。
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ボイル釜
3基の釜があり、タコ、カニなどに使用します。
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太陽光発電
50kwの太陽光発電設備
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外国人実習生寮
2020年に外国人実習生寮を新築しました。
取得認証紹介
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ISO22000
ISO22000とは食品安全のための国際規格であり、安全な食品をつくるための条件が定められています。その条件を全て満たした運用がなされている会社がISO22000認証を取得することができます。1度取得したらそれで終わりではなく、継続的な改善が求められており、更新のための審査が毎年行われます。審査の際には現場確認はもとより、1年間きちんと運用がなされた証拠記録の確認が求められます。審査の度にレベルの底上げがされていくため、ISO認証の維持をしている会社は、成長し続けている会社であると言うことができます。
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MSC CoC
魚の獲り過ぎによる、水産資源の枯渇を防ぐため、厳格な規格に適合した漁業で獲られた持続可能な水産物にのみ認められる認証がMSCです。つまり、漁業に対して与えられ認証がMSCです。CoC認証とはMSC認証漁業で獲られた水産物を、消費者の手に渡るまでの過程に携わる企業が取得する認証です。加工、製造、流通、販売に至る全ての過程において、CoC認証を受けた企業が携わっていて初めて、店頭に並ぶ商品にMSC認証マークがつきます。消費者の皆様が、MSC認証マークの付いた商品を購入することは、持続可能な漁業を応援するということになります。
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中国輸出
対中国輸出水産食品施設登録(CN120001)
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ベトナム輸出
対ベトナム輸出水産食品施設登録(VN01720073)
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インドネシア輸出施設認定
株式会社カネキチ澤田水産 第1工場(ID020267)
株式会社カネキチ澤田水産 第2工場(ID020268)
株式会社カネキチ澤田水産 第3工場(ID020269)
株式会社カネキチ澤田水産 脱パン工場(ID020270)
株式会社カネキチ澤田水産 倉庫(ID020271)
株式会社カネキチ澤田水産 保冷庫(ID020272CS)